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卯月鮎による、ゲームや本の紹介と仕事の話などです。
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』【ひと言読書メモ】
 今回、「ダ・ヴィンチ」で紹介した『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』について、もう少し付け足し。

 内容としては、9.11の同時多発テロで父を失った少年が、父が遺した封筒に書かれた「ブラック」という名前だけを手がかりにニューヨークを駆け回るという話。

 サリンジャー作品へのオマージュと取れる部分も多く、たとえば主人公が早熟で舞台がニューヨークというあたりは、『ライ麦畑でつかまえて』を連想させる。

 また、オスカー少年が学校の劇で『ハムレット』の「ヨリックの髑髏」を演じたのは、『フラニーとゾーイー』だろう。
(“ブラック”というのも、グラース家の長兄シーモアがクイズ番組で名乗っていた「ビリー・ブラック」から来ているのかもしれない)

 突然生じた空白……というテーマも、グラース・サーガと『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』をつなげる。

 サリンジャーとともに読んでみてはどうだろうか。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
ジョナサン・サフラン・フォア 近藤 隆文
4140056037


フラニーとゾーイー (新潮文庫)
サリンジャー 野崎 孝
4102057021